超のヤムチャ
ドラゴンボール超についての話題です。
ネットでドラゴンボール超を検索してみると
「悟空がクズすぎる!」
「ベジータがいいパパになってる」
という意見をよく見ます。
確かに主要キャラの言動に違和感を感じないこともないですが、個人的に一番キャラ改変がされたのは奴だと思っています。
そう、ヤムチャです。
何気にネットではあまり触れられてないので誰も気にしてないのか私の勘違いのどちらかなのかもしれませんが…
まず、ヤムチャというキャラクターの人間性を初登場から考察してみようと思います。
(原作基準の考察であり、アニメ版、劇場版は考慮しません)
初登場時は盗賊であり、悟空達の敵として登場します。敵役ということもあってやたら高圧的で、自信に満ち溢れています。事実、空腹の悟空と互角以上の戦いをしていました。
翌日の腹いっぱいの悟空には一蹴りで前歯を折られ退散しましたが…
その後何やかんやあってブルマとくっつき西の都へ行きました。
そして天下一武道会で予選を突破した悟空と再会します。ヤムチャも予選を突破していたのですが
「悟空がいたんじゃとても勝てそうにないぜ」
クリリンの試合を見るなり
「やれやれ 準優勝も危ねえなあ」
とやたらネガティブな発言が目立ちます。盗賊だったころの強気さは都の暮らしですっかり削ぎ落とされたようです。謙虚になったとも言えますかね。
実際一回戦でやられてしまうのですが…
で、次のヤムチャの戦いは占いババの館の戦士達です。
おっぱいと鼻血の助太刀もあって透明男は倒したのですが、次のミイラにはやられてしまいます。
この頃のヤムチャは、まだ少年の悟空やクリリン、ウパと一緒にいることもあり年長者のお兄さんという印象を受けます。
そして、この戦いの後亀仙人に弟子入りすることとなり3年間修行します。
で、3年後の天下一武道会。亀仙人のライバル鶴仙人とその弟子の天津飯と餃子が登場します。
「消えろ。ぶっとばされん内にな」
と発言。
そう言えば味方の力量は素直に認めるけど、そうじゃない者には結構強気な発言をするのは3年前からだった気もしてきます。
それとも亀仙人の下で修行したことで自信が着いたのでしょうか。
何はともあれ、この発言により天津飯は自分の手でヤムチャを倒すと決意。
本戦の対戦相手のクジ引きの際、超能力でクジを操れる餃子に頼んで、ヤムチャが自分と戦うよう仕向けます。
で、結果としては天津飯の勝利となったのですが
「大口を叩くだけのことはある」
「亀仙流も侮れない」
とヤムチャの実力は評価していました。
ちなみにこの時点で天津飯は作中トップクラスの実力を持っています。そんな天津飯に評価されたのですから
「消えろ。ぶっとばされん内にな」
の発言も雑魚の遠吠えと言える訳でもなさそうです。
ちなみに天津飯との試合で足を折られたため、この後のピッコロ大魔王戦では特に何もしていませんでしたが、天津飯が単身ピッコロに挑みに行ったと知った際は、折れた足を引きずって戦場にかけつけようとしていました。
事実、この時の戦士はクリリン、亀仙人、餃子は死に、悟空も死んでいると思われていたので超人と言える戦士は天津飯を除けばヤムチャしか残っていませんでした。なので自分も戦わなければと使命感があったのかもしれません。まあ、これは憶測ですけど。
ピッコロ騒動の終結から3年後の天下一武道会。予選は軽々突破しましたが、一回戦の相手は冴えないおっさんに扮した神様。
外見や仕草だけで相手を判断し、割りと舐めた態度だったヤムチャは無様な姿を晒した後、神様からその事でダメ出しをくらってしまいます。
で、負けてしまいます。
試合中は相手を舐めたり激昂したりと色々ありましたが、試合後には相手の実力を認め礼を言う礼儀正しい一面が見られました。
で、更に5年後のサイヤ人編。
ラディッツ襲来から1年後に更に強力なサイヤ人が来襲すると聞き、神様の下で修行を受けて戦闘に備えます。
で、ご存知のとおり前座の栽培マンに自爆されこの世を去ります。
あまり触れられませんが、ヤムチャは二度とドラゴンボールで生き返られないクリリンのことを考えたため栽培マンの対戦相手として志願した訳です。
自分も死ぬかもしれないのにクリリンのことを思って戦闘に臨むヤムチャの優しさが垣間見れます。
まあ結局油断したからやられるので、肝心の戦闘面はお粗末ですけれども…
次のフリーザ戦は天津飯、餃子、ピッコロと共に界王様の所へ赴きます。
(ピッコロは途中で生き返るのでいなくなります。)
で、悟空VSフリーザの最中、生き返った地球の神様から連絡があり、そちらにいる天津飯とヤムチャをドラゴンボールで生き返らせるとのこと。
(餃子は二度目の死のため不可)
しかし何やかんやあって、彼らを生き返らせるのではなく別の願いを叶えてもらうことになります。
「お前達、生き返るのが遅れるが許してくれるか?」
と言う界王様に対してのヤムチャの発言が以下
「勿論ですよ!たかが一年じゃないですか!」
死亡から一年経過するとドラゴンボールで生き返ることができなくなることを知っているであろうにも関わらず快諾。
自分の命よりナメック星人の事を考えての決断をしました。
まあ、ナメック星のドラゴンボールで皆生き返るんですが。
ちなみにフリーザ編終盤で、ヤムチャの浮気症が原因でブルマと破局することが判明します。
で、人造人間編。ここが恐らくヤムチャのキャラ付けが決定した話ではないでしょうか。
まず、フリーザよりヤバい人造人間が出現することを知り、ピッコロに
「自信の無い奴は来るな!」
と言われるのですが、3年後に彼は来ました。悟空親子、ピッコロ、クリリンよりも早く集合場所に。やる気に満ち溢れているのでしょうか。
クリリンは人造人間出没地点に向かっている最中はものすごくブルーだったのですが、ヤムチャはそんな素振りすら見せません。
フリーザよりヤバいと噂の人造人間とやり合えると自信があったのか、メインは悟空にやってもらい俺はアシストだ!と考えたのかはわかりませんが。
で、結局人造人間20号に腹を貫かれてKOされます。反撃の暇もなく…
仙豆のおかげで回復はしましたがすっかり戦意喪失。もう人造人間と戦うという意思すら見せなくなりました。
渋々悟空VS19号を観戦しに行きましたが、途中で悟空が心臓病を発症。窮地に陥ったところをベジータに助けられます。
誰か家に連れて行って薬を飲ませてこいと言うベジータ。ヤムチャは悟飯を差し置いて志願します。
「この中じゃ俺が一番役に立ちそうにない」
戦意喪失した戦士は、確かに戦場にはいりません。情けない発言ではありますが、冷静に判断したための結論です。
で、今後は目立った事はしなくなります。
セルゲームでは一応会場にかけつけましたが、セルジュニアという予期せぬ相手と戦わされ腕を折られて、倒れた際に脇腹を蹴られていました。
そして、セル撃破後はクリリンが連れてきた18号をひとり危険視していたり、悟飯の威を借りて突っ掛かっていったりと小物臭が絶妙でした。
と、ここまでは悪く書いてますが、悟飯がセルを倒し全てが終わり、神様の宮殿にむかう際に悟飯を抱きかかえてあげたり、トランクスがやられた際にベジータが怒りながらセルに特攻していったことをトランクスに教えてあげたりと、いい面も見られました。
魔人ブウ編では、特に何もしていませんが、久しぶりの天下一武道会にZ戦士のほとんどが参加する中、ヤムチャは不参加。チチに出場しないのか問われると
「出るわけありませんよ。恥かくだけですから」
ともう何か悲しくなってくるような発言。
大分長くなりましたが、ヤムチャのキャラを最初から分析していくと
一番にはなれなくても周りと比べて格段に劣っているわけではなく、己の実力に自信のある一面もあったが、人造人間編を境に自信を無くしていき戦闘への意欲を見せなくなった。
以降は調子に乗ることはあっても、自分の実力をわきまえた言動が目立つようになっていった。
こんな所でしょうか。
で、超のヤムチャですが
まず、ブルマの誕生パーティに飛び入り参加した破壊神ビルスに
「この中でも一番の古株だ」
「俺はこの中でも一・二を争う拳法の腕前だ!」
と言ったり
悟飯から、”悟空が力の大会のメンバー集めをしてる”と聞いた時は
「10人ってことは俺は入れるな」
「一回断ってから会場に駆けつけた方が盛り上がるか」
等色々考えたりしてました。
超の時系列としては魔人ブウ編の後なのですが
あれだけ自信を無くして戦いから身を引いたとも思わせるような言動をしておきながら、何故ここにきてこんな大口を叩くようになったのでしょうか。かなり調子に乗っています。魔人ブウ撃破→超スタートの四年の間で何かあったのでしょうか?
とは言っても、力の大会のメンバー選びに関しては多分本人だけでなく視聴者も
「10人ならヤムチャはギリギリ入るかな」
と思っていたかもしれません。まさか亀仙人が選出されるなど誰も思ってなかったでしょう。
ただもっと疑問なのは、ブウが参加できなくなり短時間でラスト1人を決めなければならなくなった際、誰もヤムチャのことなど考えなかったこと。
そんなに弱体化してしまっていたのでしょうか?
現時点では力の大会は終盤。力の大会から戦士たちが帰ってきた際にヤムチャは何て言葉をかけてあげるのでしょうか。