JONNの日記

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【ドラゴンボール】悪役としてのセル

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ドラゴンボール人造人間編のラスボスとして登場したキャラクター。Drゲロのコンピューターが造りだした人造人間。

奴は悪役としてどうなのか?個人的に感じたことをつらつら書いていこうと思う。

 

 

 

【登場に至るまで】

人造人間17号と18号を吸収することで完全体になれるが、セルの生まれた時代では17号と18号がいなくなってしまったためトランクスを殺し、タイムマシンを奪って過去へやってきた。

しかし、タイムマシンに乗り込むには自分がでかすぎたため、自身をタマゴの状態まで戻す必要があり、過去へ来た後は地中で成長するのに3年、脱皮するのに1年かかった。その後に町で人々からエネルギーを吸収し、あらかた吸収したところで、神様と同化したピッコロと対峙したシーンが初登場となる。

 

 

【悪役として】

このセルについてなのだが、完全体どころかかなり多くの人間を吸収しきった第一形態(2回目登場時)の時点で、あの全宇宙一の強さを誇るフリーザを遥かに上回る強さだった。

しかし、私としてはそれでもフリーザの悪役としての魅力や絶望感には及ばないと思っている。

 

☆絶望感

フリーザの場合はあの有名なセリフ『私の戦闘力は530000です』で強さも絶望感も同時に表現していた。100倍の重力で修業し、ギニュー特選隊を圧倒した悟空が界王拳を使用して180000。瞬間的に出せる力はこんなもんではないらしいが、530000まで及ぶとは到底思えない。しかも変身する度に力を増すというのに第一形態でこれだ。

さらに、ギニュー特選隊との戦闘で瀕死になるも回復し、大きくパワーアップした悟空が10倍界王拳を使用しても、最終形態のフリーザは半分の力で悟空を倒せるという発言。それを実際に証明した20倍界王拳かめはめ波を片手で防いだ事実。最後の切り札である元気玉をも耐え凌いだシーン。すさまじい絶望感だった。

 

対してセルはどうか。

まず、登場時については、まだ影も形もない時点での神様のビビり具合や、トランクスの来た未来よりさらに3年後の未来から来た謎のタイムマシン、その傍にあったタマゴ、抜け殻等が未知の存在の不気味さを際立てていたと思う。この初期の不気味さに関してはフリーザより上だろう。

 

強さに至っては上述どおりだが、初登場時で言えば人間の吸収が足りず、神様と同化したピッコロにやられそうな状態。登場時の不気味さとは裏腹に強さの描写はそこまででもなかった。(同化したピッコロがずば抜けていたという見方もある。)

しかもピッコロの細胞があるにも関わらず、ピッコロの再生能力を忘れて自分のことをベラベラ話してしまう間抜けっぷり。何か敵としてやっていけるのか逆に心配になってくる。

 

ただ、2回目の登場では多くの人間のエネルギーを吸収した状態での登場だったため、前回自分を圧倒したピッコロを逆に震えさせるほどの強さを得る。そして17号、18号をも超える強さを得たため、色々あったがピッコロを撃破し、17号を無事吸収し第二形態となる。18号吸収は天津飯の活躍によりこの場は阻止されましたとさ。

 

しかし、この時点で私個人はやはり大して絶望感はなかった。その理由として精神と時の部屋。その部屋内は10倍の重力があり、時の流れも部屋外での1日が中では1年と異なっている。(気温の振り幅もすごいらしいが、その辺の描写はそんなになかった。)

この部屋に悟空親子とベジータ親子が入って修行するのだから、修業後にはかなりの強さになっていることが予想できた。

 

つまり、フリーザと異なりセルとの戦闘力の差は埋める方法が明確にあったため絶望感があまり感じられなかった。

フリーザの時も超サイヤ人という単語がちらほら出てきてて伏線はあったが、超サイヤ人自体がどういうものなのかは不明瞭だった。)

 

☆魅力

これも個人的な感想だがフリーザと比べると少々小物っぽい。

 

最初にそれを感じたのは、第二形態時のベジータ戦。精神と時の部屋での修行の成果もあり、自身をボコボコにした18号を圧倒的に上回ったセルをボコボコにできるレベルまで強くなったベジータ。そのベジータにやられ、ちくしょー!ちくしょー!と叫ぶシーンはまだしも、そこからベジータの本能に訴えて見逃してもらうというのはいささか…。自分の力で逃げ出したのならまだしも…。セルの完全体になるという執念が現れていたシーンではあるのだが…。

 

そしてまんまと見逃してもらったセルは、偶然近くにいた18号を吸収し、完全体となった。今度は自身を圧倒していたベジータを逆に圧倒するのだが、『フッフッフ。超ベジータか』とベジータをあざ笑うとも自分の余裕を見せつけるとも取れる台詞を言い放つ。

お前さっきまでその超ベジータに殺されそうだったじゃん!

正直調子に乗ってるとしか思えないセリフだった。というかベジータの細胞もあるし調子に乗ってるって見方で間違いない気がする。

 

こうして超ベジータとトランクスを軽くいなした後、セルゲーム開催を決定。要約すると、つい最近まで雑魚だったのに、短期間でそこまで強くなれるならもう少し時間やるからさらに強くなれ。10日後にセルゲームという武道大会やるからそこで戦おう。ちなみに俺が勝ったら人類滅ぼす。というもの。本人曰く自身の中のサイヤ人の細胞がそうさせるのかもな…とのこと。

 

正直な所、ここのセルはかっこよかった。世界征服に興味が無い点や、相手が強くなった上でそれをさらに上回った力で倒すというのはサイヤ人編でベジータを見逃したり、フリーザが100%のフルパワー形態になるのを待ってた悟空に通ずるものがある。

完全体になって最初は調子に乗ってたものの、この時点ではセルの悪役としての魅力は充分あっただろう。

 

そして、問題のセルゲーム。TVで告知などしてしまったがために変なギャラリーも来てしまったがそこは置いておこう。

 

まずセルは悟空を撃破(本人の降参により)。そして悟空の指名により悟飯と対戦。この対戦の最中、本人の口から怒らせるととんでもないパワーを発揮することを知り、悟飯の真の力の解放のため、怒らせることを決意。

 

だが、悟飯を徹底的に痛めつけても怒りを爆発させなかったため、観戦中のZ戦士を攻撃対象とする。流石に悟飯も徐々に怒り始めたが、その間に16号がセルへ特攻。何でも自分の体内に仕掛けられたとてつもなく危険な爆弾を爆発させ、セルもろとも自爆するとのこと。

流石にセルも『くっ…!』と焦っていたが、一度カプセルコーポレーションで修理を受けた際にその爆弾を取り除かれてしまったため作戦は失敗に終わり、逆にセルから至近距離での攻撃をくらい体が破壊され生首となってしまう。その際のセルの一言。

 

『もっとも、私がそのような爆弾でやられるとは思わんがね』

 

お前さっきめちゃくちゃ焦ってたじゃねえか!確かにやられてはいなかったとは思うけども!爆発は無いと確信した後のこの物言いが完全体になった前後の頃の小物感を彷彿させる。

 

そして、これまた色々あってセルが16号の生首を踏み潰したことによって遂に怒りを爆発させた悟飯。当初は ”ようやくか…” と言わんばかりのワクワクした表情を見せていたが、結局終始圧倒されて焦りだす始末。

 

ん?相手をパワーアップさせて結局やられる?これどっかのMハゲ王子と同じじゃね?

 

終始圧倒された挙句、得意げにトランクスに指摘したパワーアップを自身も行った結果、18号を吐き出してしまい第2形態に戻ってしまったセルは、悟飯に勝てないと判断し自爆を決意。自分も死ぬが地球もろとも道連れにするとのこと。ここは何かフリーザっぽい。まあフリーザの場合は自分が死ぬことなく星を破壊するだろうが…。

 

ただし、フリーザの場合は予想外に相手がパワーアップしたため星の破壊を決意したというものだが、セルの場合は故意に相手をパワーアップさせておきながら、その相手に負けて道連れに自爆という訳だから、こうして比べてみるとやはり小物っぽいし情けない。

 

その自爆自体は、悟空の瞬間移動によって界王星に連れてこられたため悟空と界王と他2体を巻き込んで終了。

しかし、セルは核が残っていたため復活。サイヤ人の死の淵からよみがえる度に強くなる特性により、18号がいなくても完全体の姿な上に遥かにパワーアップした状態での復活とのこと。さらに瞬間移動すら使えるようになっているのだから、さっきまで圧倒していた悟飯でもそう簡単にはいかないだろう。

 

ただ、復活してからはトランクスを殺し、ベジータを吹っ飛ばした以外は大したことをするわけでもなく、悟飯のかめはめ波で木端微塵となってしまったため、パワーアップしたセルがどれくらい強いのかがはっきりわからないまま彼の出番は終わってしまった。

 

 

【まとめ】

フリーザと違って強さがあまり明確でない上に何とかなりそうなイメージがあり、ところどころ見せる小物感が彼から悪役としての魅力を無くしていったのかもしれない。まあ作品のラスボスじゃないわけだし、小物臭さも見えた方が悪役らしいっちゃ悪役らしいのかもしれない。

 

フリーザより魅力が薄かったからこそ後年の映画が『復活のF』となったのだろう。セルの悪としてのカリスマがフリーザ以上なら劇場版のタイトルが『復活のC』となってゴールデンセルとか登場していたのかもしれない。まあセルはビルス様とか知らないだろうから、悟空たちと共にいたビルス様に無礼を働いて破壊されて終わってしまったかもしれないが。